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- 2021年11月26日
写真カードや絵カードの使い方
発達に遅れを持つお子さんの療育、学習支援では、写真カードや絵カードが使われることが多いです。普段の生活の中で使われている保護者の方もいらっしゃるかと思います。 耳からの情報だけだと物事が理解しにくい、先の見通しがたちにくい、聴いてもすぐに忘れてしまうことが多い場合などには、写真カードや絵カードのような物を使うことで、お子さんにとっても身の回りの物事がわかりやすくなることが多いです。 この写真カードや絵カードを使用する時に、配慮が必要なポイントをいくつかお話させて頂きます。 1.絵や写真と実際の物事が繋がっているかどうか 絵で描かれている物や写真に写っている物を、実際の物とつなげて理解できているかどうかが大事になります(例:りんごの絵をみて、「りんごだ!」とわかるかどうか)。絵や写真をみてもピンとこなければ、こちらの言いたいことが子ども達には伝わりにくくなってしまいます。 2.写真を使うか絵を使うか 絵をみても実際の物をイメージできないお子さんには、絵カードよりも写真カードを使う方がいいと思います(見た目が実際の物に近いためわかりやすくなります)。
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- 2021年11月26日
子どもの感覚と遊び
クルクルと回ったり、ジャンプを繰り返す。 私達は子どもの頃から動く感覚を楽しみ、好んで遊びにしてきました。 遊園地のコーヒーカップやジェットコースターがその例です。 私達はこのように回ったり滑ったりする感覚を、耳の奥にある三半規管と耳石器で感じ取っています。 また、筋肉や関節にある感覚受容器では、関節がでの程度曲がったり伸びたりしているかを感じ取っています。これらの感覚は前庭感覚・固有感覚と呼ばれますが、胎児期から働き始め、赤ちゃんはこのような感覚を感じ取れるようになって生まれてきます。これらの感覚に限ったことではありませんが、その子どもに取って適度な感覚刺激は子どもを快い気持ちにさせるようです。なので子どもは”たかいたかい”やすべり台、ブランコが好きな傾向にあります。 しかし、他の子どもよりも回ることを過度に繰り返したり、執着するのには次のことが考えられる場合があります。 それは私たちの体は外界から適切な感覚入力(刺激)によってそのバランスを保っています。回転やジャンプを繰り返す場合、何らかの原因で動く感覚刺激(前庭刺激や固有刺激)を足りないと
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- 2021年11月24日
子どもと遊びの関係性
「座って勉強してほしい」と保護者様に言われることが多くあります。 たしかに必要な場面で座って学習できるスキルを身につけることは大切ですが、 子どもたちにとって遊びは必要不可欠なものです。 好奇心を持って自主的に遊びに取り組んでいる場面では身体や言葉の発達にも良い影響がいっぱいです! 何かをやらされている時よりも、自主的に行動している時の方が子どもたちはいろいろなことを吸収できるそうです。 発達に偏りのある子どもたちの中には、自分で遊びを展開することが苦手なお子様がいます。「何をしてもいい時間だよ」というフリーな場面で何をしたらよいのか分からずに困ってしまうお子様も多いです。 そんな時には、一緒に遊ぶ形を取りながら大人側が遊びのお手本を見せてあげるようにしましょう。 例えば、お友だちの輪に入るのが難しいお子様の場合には、そのお子様にとって安心できる存在の大人が一緒に輪に入って遊び、他のお友だちとの繋がりを作ってあげると良いです。他のお友だちと遊び始めた時には、さりげなく大人側は抜けて子どもたち同士で遊びを作っていけるようにしていきましょう。 話は少
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- 2021年11月24日
小児てんかんを持っている子の生活について
今回は、小児てんかんと闘っているお子様の生活する上での注意点についてお話します。 てんかん発作は、刺激やある出来事によって誘発される場合があり、治療していく上で誘発因子をなくせるようにすることが大切になります。 誘発因子には以下のようなものがあります。また年齢によっても因子が少し異なります。 ・前学童期:発熱、感染症、入浴 ・学童期から前思春期:疲労、睡眠不足、ストレス、感情の変化 ・思春期:月経、疲労、睡眠不足、ストレス 発作を起きなくするために薬を飲み続けることはもちろん、疲労をためないように睡眠をしっかりとる、発熱や感染症にかからないように感染予防をしっかりするなど気をつけるべきことがたくさんありますね。その中でも、お風呂や感情の動きは生きている上で避けることは難しいです。 【お風呂】 ・家族と一緒に入る ・お風呂場の鍵をかけない ・お湯の量を少なくする ・シャワー浴にする ・マットを敷いて怪我しないようにする などがあります。 浴槽内で発作が起こったときは、お湯から顔を上げたり栓を抜いて気道確保を優先します。 【運動】 運動中に発作を起こ
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- 2021年11月19日
子どもと排便コントロールについて
今回は子どもの排便コントロールについてお話していきます。 新生児のころはミルクと一緒に空気を飲んだり、消化の機能が未熟なため、お腹が張りやすくなっています。乳幼児期は食事によって便の性状が変わり、排便を我慢することで便秘になることが多いです。子どもが便秘になりやすいタイミングは固形の食事が始まった時、トイレトレーニング中、入園・入学のタイミングで起こりやすいです。 ここからは排便コントロールをする上でのポイントについてお話していきます。 ① 生活習慣 食物繊維を多く含んでいる食事にしたり、水分を多めにあげることも大切です。また、決まった時間にトイレに行って、便座に座る習慣をつけることも大切になってきます。体を動かすことでも腸の動きが活発になります。 ★便秘におすすめの食事★ リンゴやバナナ、ジャガイモ、サツマイモ、ヨーグルトなどの食材を毎日の食事に取り入れることや、便を柔らかくしたり、腸の動きを良くする働きのある油を摂取することもおすすめです。油はスープにオリーブオイルを入れてるなどしてください。また、オリゴ糖の摂取も腸内環境を整えることが出来
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- 2021年11月19日
子どもの胃管挿入中のケアについて
胃管とは口から栄養摂取が出来ない場合に口や鼻からチューブを入れて栄養摂取のための経路を確保するものです。 胃管は大まかに分けて経鼻胃管(NGチューブ)と経鼻十二指腸チューブ(EDチューブ)に分かれます。 ここからはそれぞれのチューブの特徴についてお話していきます。 経鼻胃管(NGチューブ) 特徴:チューブの先端が胃の中にあるチューブです。そのため、逆流などをきっかけに誤嚥のリスクがあります。比較的挿入が容易なチューブになるため、ご家族が挿入することが出来ます。 経鼻十二指腸チューブ(EDチューブ) 特徴:チューブの先端が十二指腸にあるチューブです。そのため誤嚥のリスクが低くなっています。挿入の際はX線透視下またはエコーによるガイドが必要です。経鼻胃管より閉塞しやすいという特徴があります。 ここからは管理をする上での注意点をお話します。 チューブの自己抜去 特にミルクなどを注入している時の自己抜去は誤嚥の可能性が高くなるため特に注意が必要です。自己抜去の予防については、①チューブをしっかり固定する。チューブを固定する時にチューブの浮きを作らないこと
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- 2021年11月19日
「 聴くこと 」について
発達障害のお子さんの中には、話をしっかり聴くこと、言われたとおりに行動することが難しいお子さんがいます。 それぞれのお子さんによって、聴くことが苦手な原因は様々です。 主な原因としては、必要なことに注意を向けることが苦手、周囲のことが色々気になってしまう、聴いたことを覚えておくことが難しい、などが考えられます。 また、指示されたことをそのまま行うことはできても、聴いたことをもとに考えたり、想像したりすることが難しい場合もあります。 聴くことが苦手なお子さんと接するときには、①短く区切って話す、②しっかり自分の方に注意を向けさせてから話す、③話したことが伝わっているか確認する、④絵や写真などを使って伝える、⑤あらかじめ何についての話なのかを伝えることなどが大事になります。 ① 短く、区切って伝える 「玄関で靴を脱いで、手を洗って、タオルで手を拭いて、うがいをして」などと続けて伝えるのではなく、「靴を脱ぎます。」「手を洗います。」「タオルで手を拭きます」「うがいをします」と一つ一つ短く区切って、その都度伝えてあげてみてください。 ② しっかり自分の方
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- 2021年11月12日
子どもの気管支喘息
今回は子どもの気管支喘息についてお話していきます。 ①気管支喘息とは 発作性によって気道が狭くなり、「ゼーゼー、ヒューヒュー」という喘鳴や息を吐く時間が長くなる呼気延長、呼吸困難を繰り返してしまう疾患です。 気道が狭くなってしまう理由は気道にある筋肉の収縮、気道粘膜の浮腫み、分泌物の増加があります。慢性的は炎症があると気道が狭くなったまま戻らなくなる、リモデリングという事が起きます。 ②原因 子ども自身にアレルギー疾患ある、家族に喘息やアレルギー疾患の既往があるという個体因子。ウイルスなどの感染、ダニやハウスダストなどのアレルゲン、空気汚染、たばこや気象などの環境因子の2つが主な原因となります。子どもではアレルギーが原因となることが多いです。 ③症状 発作は夜や明け方に起きやすいです。喘鳴や咳、呼吸困難、呼気延長、努力呼吸(多呼吸、肩呼吸、起坐呼吸、陥没呼吸)などが主な症状です。他には不眠や経口摂取が難しい、会話が出来ないという症状があります。 ④治療 ・薬物療法 薬物療法には発作治療薬と長期管理薬の2つのパターンがあります。発作治療薬は気道の収
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- 2021年11月12日
口腔ケアについて
皆さんが毎日行っている口腔ケア(歯磨き)は、お口の中の清潔を保つだけでなく、体全体の健康を維持するためにとても大切な事です。口腔ケアの効果やポイントについてお話していきます。 【高齢者の口腔問題】 1)唾液量の低下 ↳唾液は口腔内を清潔に保つ役割があります。高齢者は唾液量が低下してしまうので、自浄作用の低下や口腔内が乾燥し、虫歯や歯周病の進行につながります。 2)味覚が変化する ↳口の中の自浄作用の低下から、舌苔(細菌や食べかすなどが溜まり、舌に白い苔状のような固まりが付着している状態)が付きやすく、味を感じにくくなります。 3)入れ歯が多い ↳入れ歯と粘膜の隙間に細菌が繁殖しやすくなります。また入れ歯が合わないと、出血したり痛みを感じ、口腔内を傷つける原因となります。 【口腔ケアの効果】 1)唾液の分泌を促してくれる ↳口の中を清潔にすると、唾液の分泌が促進されます。唾液は、歯や口の粘膜を保護したり、自浄作用があるので、虫歯や歯周病の予防にも繋がります。 2)誤嚥性肺炎の予防 ↳嚥下機能が衰えると、食べ物や唾液が気管に入ってしまう事があります。
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