ある日、いきなり激痛に襲われる、ギックリ腰。痛みが強すぎて、立てない・歩けない・起き上がれない。近年、インターネットや雑誌やテレビでは、ギックリ腰に対応する方法が変わってきたことがいわれています。
①安静にする②ストレッチなどの運動をする③できる限りいつも通りの生活をする
古くからの考えは安静にすることだと言われてきましたが、現在は③出来る限りいつも通りの生活をすることが最も早く治ると言われています。
ギックリ腰の正式名称は「急性腰痛症」といいます。
そしてギックリ腰は、大ギックリ腰と小ギックリ腰との2種類あります
この大ギックリ腰と小ギックリ腰は、ギックリ腰になるきっかけが異なりますので、順番にお伝えします。
大ギックリ腰のきっかけ
・大きなくしゃみをした時
・急に強く身体をひねった時
・重たい物をがんばって持ち上げた時
・椅子にドッスンと尻もちをついた時
「うわっ!やっちゃった、、、」という感覚で、明らかに大きな動きで痛みが生じたら大ギックリ腰と言われます。
小ギックリ腰のきっかけ
・小さい姿勢の変化で頻回に負担がかかった時
・身体のひねりなど負担が蓄積してしまった時
「あれっ?これ以上動いたらヤバそう、、、」という感覚で、小さな動きにも関わらず痛みが生じたら小ギックリ腰と言われます。
ギックリ腰の原因は昔から、
・骨のゆがみ
・筋肉の脆弱化
・過度なスポーツによる負担などといわれていましたが現在の医学では、骨のゆがみ・筋肉の脆弱化・過度なスポーツによる負担がギックリ腰の原因とは言えないという考え方が主流になってきました。
骨のゆがみ・筋肉の脆弱化・過度なスポーツによる負担が原因と言われることへの疑問点・問題点をざっくり説明します。
ギックリ腰と骨のゆがみとの関係
骨のゆがみを原因と言われることの最大の問題は、あいまい過ぎる点です。
骨のゆがみとは、しばしば、病院や整体院で言われることの多い言葉です。
もし、あなたが病院や整体院にかかられて、骨のゆがみがあると言われたら、その曖昧さに疑いを持ってもいいかと思います。
ゆがみという言葉への疑問と不信感
そもそも骨のゆがみとは何のことなのでしょうか。
骨や関節の状態がどのようになっているのでしょうか。
あるいは、筋肉が骨のゆがみと関係あるのでしょうか。
ゆがみ=左右差はウソ
ここでゆがみに対する説明でよく聞くことが、ゆがみ=左右差です。
もしゆがみ=左右差であれば、人は誰しも左右差があるため、正常と言えます。
つまり、利き手や利き足があり、内臓の左右差もある限り、左右差があることは自然なことだと医学的には言われます
そのため、左右差が自然であれば、何も心配する必要はないのです。
もちろん、過剰な左右差は問題になることが多いので、身体の位置関係もしっかりと確認が必要です。
ギックリ腰と筋肉の脆弱化との関係
筋肉の脆弱とは、筋肉がもろくて弱いという意味です。
筋肉が弱くなるとギックリ腰になりやすいと言われることがあります。
結論から言うと、筋肉の脆弱化がギックリ腰の原因ということはありません。
高齢になると筋肉量は落ちるため、ギックリ腰になりやすいかというと30〜40歳代に比べて70〜80歳代の方がギックリ腰は少ないのです。
ギックリ腰の原因は、仙腸関節捻挫(仙腸関節機能障害)が最も多く(85%)、次いで急性仙腸関節炎(3%)、脊椎圧迫骨折(4%)、腰椎椎間板ヘルニア(3%)、その他(5%)に分類できると報告されています。
つまり、ギックリ腰の8〜9割の方は、仙腸関節という骨盤の関節が捻挫している状態だと報告されています。
さらに近年の医学的な研究では、骨盤の仙腸関節と同時に、腰仙関節の捻挫が多いといわれています。
捻挫なので痛みが出た直後は冷やすのも有効と言われています。しかし一番大切なことは、用心しながらもいつも通りの生活が出来ることが最速で改善することだと言われています。
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