食物を食べるとき飲み込みにくい…。水分で頻繁にむせる…。これらの症状は、嚥下障害(えんげしょうがい)と呼ばれます。嚥下障害は老化現象のひとつですが、若い人にも起こりうる症状です。
今回は、飲み込みにくさやむせやすさの要因や考えられる病気、予防改善方法などをお伝えしようと思います。
●嚥下障害とは
医学用語では飲み込む動作を"嚥下(えんげ)"と呼び、嚥下に関する問題を「嚥下障害」と呼びます。「飲み込みにくい」や「頻繁にむせる状態」も嚥下障害にあたり、その原因は様々です。
●要因
嚥下障害の最大の要因は「加齢」です。年を重ねるに連れて、喉周辺の筋力が低下すると、飲み込む機能が衰えやすくなるとされています。食物や水分がうまく飲み込めず食道ではなく誤って気管に入ってしまうと、食物を排出しようとしてむせてしまいます。
また、認知機能の低下や神経伝達機能が低下することで咀嚼→嚥下までの一連の動作がスムーズにいかなくなることもあります。
⚫何歳くらいから起こるの?
加齢にともなう嚥下障害は、一般的には60代前後から多くなります。若くして嚥下障害が出ている場合は、何らかの病気や障害が疑われますので直ぐに病院へ行くことをオススメします。
⚫嚥下障害のセルフチェック
①30秒間で何回唾液を飲み込めか数えてみましょう。
→3回以上できなかった方は、何らかの嚥下障害が疑われます。
②30mlの水を5秒以内にむせずに飲めるかどうか確認してみましょう。
→嚥下障害を見極めるひとつの指標です。
⚫嚥下障害の徴候
最近痰が絡むことが多くなった、声質が変わってきた、喉がゴロゴロする。などの症状がある場合はかかりつけ医に相談してみてください。
⚫嚥下障害の予防
・食事の工夫をしてみる
水分でむせ込む事が多い場合は、水分や汁物にとろみをつけると比較的飲み込みやすくなります。硬すぎる食べ物はむせ込みやすいので少し柔らかめに煮るなどの工夫もオススメです。
・歌を歌う
高い声や低い声を出すことで喉が鍛えられるとされています。歌がお好きなにオススメのトレーニングです。
・筋力トレーニングをする
舌出し体操、おでこ体操、パタカラ体操などお手軽に出来る体操もあります。こちらの筋力トレーニングについてはまた次回ご紹介したいと思います。
今回、嚥下障害についてご紹介しましたが、嚥下障害と誤嚥性肺炎はとても関係性が深く二次障害を招く恐れがあります。日常的な口腔ケアを徹底すること、いつもより飲み込みにくいと感じることが増えた場合は医療機関に相談してみるといいかもしれません。
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