子どもの便秘は大人の便秘と異なります。
まずは、便秘の定義についてです。
4 歳未満
少なくとも2つが 1か月以上あること
1.1 週間に 2 回以下
2.トイレでの排便を習得した後,少なくとも週に1 回の便失禁
3.過度の便の貯留の既往
4.痛みを伴う、あるいは硬い便通の既往
5.直腸に大きな便塊の存在
6.トイレが詰まるくらい大きな便の既往
乳児では、排便が週 2 回以下あるいは硬くて痛みを伴う排便で、かつ診断基準の少なくとも 1つがある場合
4 歳以上の小児
以下の項目の少なくとも 2 つ以上があり、過敏性腸症候群の基準を満たさないこと
1.1 週間に 2 回以下の排便
2.週に1 回の便失禁
3.便を我慢する姿勢や過度の自発的便の貯留の既往
4.痛みを伴う、あるいは硬い便通の既往
5.直腸に大きな便塊の存在
6.トイレが詰まるくらい大きな便の既往
便が固くて出にくい、排便の時に痛みがあると余計排便をしないようになる。おなかに便がたまり便が漏れ出るようになる状態が便秘です。いわゆる便秘の時の固い便やコロコロした便もありますが、遺糞といって、固い便の間をすり抜けて出てくる柔らかい便や水様便が出る場合も便秘のことがあります。
赤ちゃんは便が出ないことがよくありますが、便秘ではないこともあります。
生後2か月をすぎると特に母乳で育っている赤ちゃんは生理的に排便回数が減ります。
1日の平均排便回数
生後1か月 母乳 3.7回 人工乳 1.5回
生後3か月 母乳 1.9回 平均1.4回
また、乳児はいきんだ時に肛門がうまく開かず便を出すのが苦手な子も多くいます。便秘かと思ったら、出たうんちはやわらかいときなどはこの場合が多いです。
大人の便秘の際、水分や食物繊維をとったり、乳酸菌等の食物を取り入れることはよく行われますよね。子どもに関しても上記のものは摂取することはよいのですが、便秘の状態になった場合はそれを改善できるだけの十分な効果は得られないことが多いです。
便秘かな?と疑った場合は早めに受診し、便秘なのかどうかを診てもらい、必要であれば薬を使用し治療を開始することが望ましいです。子どもの便秘の治療には数年単位で治療期間がかかる場合もあります。受診の前には排便日誌をつけていきましょう。子どもの排便日誌と検索するといくつかの機関からダウンロードできます。
次回は実際の治療内容や排便トレーニングについて書きたいと思います。
Comentários