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NS吉岡

終末期医療とは?

どんな人であっても人生の最期は訪れます。人生の終末について考えた事はありますか。病院で過ごしたい方や自宅で過ごしたい方など‥最期をどう過ごしたいかは人によってさまざまです。その中で、終末期医療(ターミナルケア)はご存知でしょうか?今回はターミナルケアについてお話ししていきます。


■終末期とは‥?

終末期とは、老衰や病気、障がいの進行などにより、現在の医療では回復する可能性がなく、積極的な治療が行えなくなったときを指します。余命数週間〜半年程度で死を迎えるだろうと予測される時期を終末期といいます。


■ターミナルケアとは‥?

終末期の患者さんに対する看護・ケアをターミナルケア、終末期医療といいます。ターミナルケアの目的は、延命ではなく、身体的・精神的な苦痛を取り除くことを主な目的としています。残りの余命を少しでも心穏やかに過ごせるように痛みや不安、ストレスを緩和し、患者さんのQOL(クオリティオブライフ=自分らしい生活の質)を保つことを目的としています。


■ターミナルケアの内容

◉身体面に対するケア

痛みや不快感を取り除いたり、緩和するための投薬を行います。また、徐々に口からものを食べられなくなるため、チューブを使って栄養をとりいれる経管栄養や胃に穴をあけて食べ物を注入する胃瘻、食べる変わりとなる高カロリーの点滴の中心静脈栄養などを行う事もあります。その他、入浴や清拭、排泄の介助や自力で動けなくなった場合、床ずれ予防のケアなどを行います。


◉精神面に対するケア

死を自覚すると、恐怖や不安、ストレス、心配事などから、精神的に不安定になります。話の傾聴や気持ちに寄り添い、家族や親しい友人と過ごす時間や趣味を楽しむ時間などを設けるなど、心穏やかに過ごせるようサポートします。


◉ 社会面に対するケア

ターミナルケアが長期間続くと、費用や手続きなど大きな負担となってきます。この負担を減らすため、医療ソーシャルワーカーが医療費の軽減や支援制度の紹介、情報提供などのサポートを行ってくれるのが社会的ケアです。


■ターミナルケアを開始する時期

ターミナルケアを行うかどうかは、本人や家族の意思に任されています。ターミナルケアを始めるということは、延命をあきらめることにつながるため、開始の決断はとてもデリケートな問題です。病気の場合は、病状から予測される余命や、治療の効果が期待できるかどうかなどを考慮してタイミングを決断することになります。認知症や老衰の場合は、寝たきりになって介助があっても食事ができなくなったときが、一般的にターミナルケアの開始時期になります。本人の意思で開始を決断できるのが理想的ですが、意思確認が難しくなっていることもあります。その場合は家族の判断となります。本人の意思を最大限尊重できるよう、意思疎通ができなくなる前に話し合っておくことが大切です。


次回はターミナルケアが行われる場所や終末期の準備などについてお話ししていきます。


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