最近、物忘れが多くなった、置いたところを忘れ探し物ばかりしている、判断力が低下してきたなど、年齢を重ねるにつれて「もしかして認知症?」と心配になってしまうこともあると思います。
加齢による自然現象の「ただの物忘れ」と「認知症」は性質が異なり、ただの物忘れであれば過度に心配する必要はないといわれています。
最近では、認知機能の低下の進行を遅らせる薬もありますから、認知症による症状があれば、早めの受診をお勧めします。
認知機能てなに?
見る、聞く、話す、匂う、触る、味わうの五感を通じて外から得たさまざまな情報を認識する機能。その情報をもとに記憶する、理解する、判断する、学習する機能。情報や記憶を統合して、思考したうえで行動に移す機能。
加齢による物忘れと認知症がどのように違うのでしょうか?
一般的に脳の機能は年齢を重ねるとともに、記憶力や判断力、適応力などが衰え、物忘れも次第に増えていきます。また、記憶を再生する機能も衰えるため、覚えていたことを思い出すまでに時間がかかったりもします。そのため「とっさに人の名前が思い出せない」「物の名前が出てこない」「朝何を食べたか思い出せない」といった物忘れが見られるようになりますが、これらは自然な老化現象による物忘れであって認知症ではありません。高齢者の物忘れが認知症によるものか、それとも加齢に伴う正常な物忘れかを見分けるのはなかなか難しいでが、以下のことを参考にされてみてください。
★加齢による物忘れ
もの忘れを自覚している
体験したことの一部を忘れる
ヒントがあれば思い出す
日常生活に支障はない
判断力は低下しない
「約束したこと」や「書類をしまったこと」自体は覚えていて、“自分が忘れていること”には自覚があります。日常生活に支障はなく、認知症のような病状の進行や記憶以外の障害がみられることもありません。
★認知症による物忘れ
もの忘れの自覚がない
体験したこと自体を忘れる
ヒントがあっても思い出せない
日常生活に支障がある
判断力が低下する
認知症の物忘れは、自分の体験自体の記憶がないので、本人は「約束なんかそもそもしていない」とか「書類がない、盗まれた」と怒ることがあるため、ケアには注意が必要です。
★認知機能低下
加齢による正常な物忘れでは認知機能がひどく低下することはありませんが、認知症による物忘れの場合は認知機能が徐々に悪化していき、ある程度進行すると日常生活全般に支障をきたすようになります。
一方で楽器や裁縫、家事など、技能を通した、一度獲得した体験の記憶は保たれやすいと言われています。また、覚えることが難しくなり、新しいことを記憶するのは難しいですが、昔のことなど、記憶を思い出すことは出来ることが多いです。
認知症かも・・と思ったら?
認知症か、加齢にに伴う正常な物忘れかの判断は、最終的には専門医の判断を仰いで下さい。ご本人が心配で受診されるのであれば、問題ないですが、ご家族や身近な人が、変化を感じて、認知症じゃないか?と感じたら、なかなかご本人には言い出しにくいと思います。そんな時は、「年齢と共に、脳の状態も変化してきているから、一度よく調べてもらおう」など、ご本人の自尊心を尊重した促しをしてみてください。
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