食中毒予防
- NS岩﨑
- 6月25日
- 読了時間: 3分
○食中毒予防のポイント
食中毒というと、飲食店での食事が原因と思われがちですが、毎日食べている家庭の食事でも発生しています。普段、当たり前にしていることが、思わぬ食中毒を引き起こすことがあるのです。
家庭での発生では症状が軽かったり、発症する人が1人や2人のことが多いことから風邪や寝冷えなどと思われがちで、食中毒とは気づかれず、重症化することもあります。家庭での食事作りでの食中毒予防のポイントをチェックしてみましょう。
<食中毒予防の3原則 食中毒菌を「つけない、増やさない、やっつける」>
食中毒は、その原因となる細菌やウイルスが食べ物に付着し、体内へ侵入することによって発生します。
食中毒を防ぐためには、細菌の場合は、
▶ 細菌を食べ物に「つけない」
▶ 食べ物に付着した細菌を「増やさない」
▶ 食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」
という3つのことが原則となります。
牛や豚などは、と畜場で解体処理する過程で腸内にいる腸管出血性大腸菌やサルモネラのような病原性の細菌がお肉や内臓に付着したり、E型肝炎ウイルスなどの人に害を与えるウイルスや寄生虫に感染している場合があります。
このため、新鮮なものかどうかに関わらず、生や加熱不十分なものは重篤な食中毒が発生する危険性があります。また、イノシシやシカなどの野生鳥獣(ジビエ)では、家畜のように飼養管理されていないことから、さらに生食することは危険です。お肉やレバーなどの内臓は、よく加熱して食べましょう。
家庭での食中毒予防は、食品を購入してから、調理して、食べるまでの過程で、どのように、細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」を実践していくかにあります。ここでは、「買い物」「家庭での保存」「下準備」「調理」「食事」「残った食品」の6つのポイントで、具体的な方法を紹介していきます。
(1)買い物
消費期限などを確認する。肉や魚などの生鮮食品や冷凍食品は最後に買う。肉や魚などは汁が他の食品に付かないように分けてビニール袋に入れる。寄り道をしないで、すぐに帰る。
(2)家庭での保存
冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に保管する。肉や魚はビニール袋や容器に入れ、他の食品に肉汁などがかからないようにする。肉、魚、卵などを取り扱うときは、取り扱う前と後に必ず手指を洗う。冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に保つ。
冷蔵庫や冷凍庫に詰めすぎない(詰めすぎると冷気の循環が悪くなる。)
(3)下準備
調理の前に石けんで丁寧に手を洗う。野菜などの食材を流水できれいに洗う(カット野菜もよく洗う。)。
生肉や魚などの汁が、果物やサラダなど生で食べるものや調理の済んだものにかからないようにする。生肉や魚、卵を触ったら手を洗う。安全のため、包丁やまな板は肉用、魚用、野菜用と別々にそろえて使い分ける。冷凍食品の解凍は冷蔵庫や電子レンジを利用し、自然解凍は避ける。冷凍食品は使う分だけ解凍し、冷凍や解凍を繰り返さない。使用後のふきんやタオルは熱湯で煮沸した後しっかり乾燥させる。使用後の調理器具は洗った後、熱湯をかけて殺菌する(特に生肉や魚を切ったまな板や包丁)。台所用漂白剤の使用も効果的。
(4)調理
調理の前に手を洗う。肉や魚は十分に加熱。中心部を75℃で1分間以上の加熱が目安。
(5)食事
食べる前に石けんで手を洗う。清潔な食器を使う。作った料理は、長時間、室温に放置しない。
(6)残った食品
残った食品を扱う前にも手を洗う。清潔な容器に保存する。温め直すときも十分に加熱する。時間が経ちすぎたものは思い切って捨てる。ちょっとでもあやしいと思ったら食べずに捨てる。
おう吐や下痢の症状は、原因物質を排除しようという体の防御反応です。医師の診断を受けずに、市販の下痢止めなどの薬をむやみに服用しないようにし、早めに医師の診断を受けましょう。

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