前回の続きになりますが、感染経路や対策についてお話していきます。
MRSAに感染しているかどうかの検査は、感染を疑う部位から痰や血液、膿などを採取し、培養と抗菌薬に対する感受性を調べることで診断します。
そのため、診断に比較的時間がかかり、発症からMRSA感染症の診断まで数日かかることがあります。
MRSAの抗菌薬・治療薬
MRSA感染症の診断がついた場合は、抗MRSA薬という特別な抗生剤を治療に用います。
通常の抗生剤はMRSAに効果がなく、通常の抗生剤を継続しても症状の改善は見られません。
抗MRSA薬は、MRSAの細胞を壊したり増えないようにしますが、副作用もあるので注意が必要です。そのため、医師の指示に従って使用する必要があります。
MRSAは自然治癒する?
→MRSA感染症は、自然治癒することは不可能ではありません。
しかし、これまでに説明した通り、MRSA感染症にかかるのは高齢者や免疫の低下した人が多いので、基本的には抗MRSA薬による治療が必要となります。
医師の指示のもと、しっかりと薬を飲み続けることが治療に向けての最短ルートになります。
対策について
MRSAにならないためには感染予防が重要になります。
具体的には、接触感染予防が大事です。
MRSAは空気を通して感染することはありませんが、MRSA感染者が触ったものや唾液などを経由して感染します。
そのため、病院や介護施設に行く際はこまめに手洗いや手指消毒を行うことが重要です。マスクも効果的です。
また、すべての消毒薬も有効とされています。80℃で10秒間や70℃で30秒間などの熱水も有効といわれています。
在宅で高齢者の介護を行っているご家族などは、ケアの前後に手洗いやアルコール消毒をしっかりと行うことも重要となります。
MRSAは常在菌ではありますが、高齢者や赤ちゃん、外科手術後など、免疫力が弱まっている人はさまざまな感染症の原因となるのでしっかり予防していきましょう。

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