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巻き爪について

巻き爪とは、爪が内側に巻いている爪の変形をいいます。爪が皮膚に食い込んで炎症(赤み、痛み、化膿)を起こしてしまっている場合には嵌入爪と呼ばれます。

巻き爪により爪の端が皮膚巻いた爪の端が皮膚に食い込むことで陥入爪の原因になり、また、嵌入爪は巻いていない爪によっても生じます。


巻き爪は、一般的に足の親指にみられることが多いですが、そのほかの足の指や手の指にも生じることがあります。歩行などに伴い、爪の先端部分が圧迫されて痛みを生じることがあり、足先に力を掛けられずにかばいつづけることで、踵、膝や腰にも影響がでてしまいます。

一方で、爪が強く巻いていても全く痛みがないこともあります。ですが、ご自身やご家族での爪切りが難しくなったり、靴下が履きにくくなったりといったところで生活に支障をきたすことがあります。


● 原因は?

爪の切りすぎによる深爪、パンプスなどの先のとがった靴やサイズが合っていない小さな靴・靴下などによって、爪が外から圧迫されることが主な原因です。また、細かい説明はここでは省略しますが、動物学的に爪は自ら巻く力があるところ、ヒトは日常的に足を踏み込み、歩くことで下(地面)からの力を受け、爪を広げようとする力が働くことで、皆さんが想像する理想的ななだらかなアーチ形を保っています。そのため、歩く機会の減少や筋力低下、足の痛みや変形(魚の目、扁平足、外反母趾など)、麻痺、浮腫み、爪白癬、嵌入爪などにより浮き指状態になったり重心が偏ったりした姿勢が続くと、爪で起きている均衡がとれなくなるため巻き爪になりやすくなります。そのほかでは遺伝的関与も考えられています。


● 予防法は?

正しい靴や靴下の選択により爪の圧迫を避けることが予防につながります。また、足の指に適切な力が伝わるように、正しい歩き方を心掛けましょう。正しい靴を選び、必要に応じてインソールなどで足の骨格の歪みや姿勢のバランスを調整することも予防につながります。痛みなど足や爪にトラブルがある場合にはきちんと医療機関で治療を受けることをお勧めします。

もうひとつ大事なことは爪切りです。日々の何気ない爪切りですが正しい方法をご存知ですか?適切な爪切り爪の長さは、指先と同じくらいから1~2mm短めに一直線に切りそろえ、角が少し丸みを帯びるように削り、整えます(スクエアオフといいます)。爪の先端が引っかからないようにこまめに爪切りやヤスリで整えることが推奨されますが、深爪を避け、周りの皮膚を傷つけないよう注意が必要です。反対に伸ばし過ぎてしまうこともご自身やご家族での爪切りが難しい場合には、無理をせずに医師や看護師に相談しましょう。

皮膚の傷や感染を防ぐために、巻き爪の方に限らず、定期的に自分の足をみてあげること、しっかりと洗い、保湿をして乾燥を避けることが大切です。


● 治療法は?

巻き爪の場合、痛みがなく、生活に支障がなければ、必ずしも治療をする必要はありません。巻き爪で痛みがある場合、または嵌入爪の場合には、爪が皮膚に食い込まないよう保護することでの痛みの緩和、ワイヤーやプレートなどの矯正具による矯正、場合によっては手術治療が可能です(一部保険適応外です)。ご自宅で手軽にできる痛みの緩和の方法にはテーピング法やコットンパック法があります。

また、嵌入爪で化膿してしまっている場合には、抗生剤などによる加療が必要であり、はやめに医療機関を受診しましょう。


● 最後に

なかなか他人には相談しにくい足の事情、実は10人に1人が巻き爪といわれています。そんな身近な巻き爪についてお話させていただきました。まずは普段の何気ない爪切りやいつも履いている靴から見直すことで、いつまでも健康な爪、生活を目指しましょう!



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