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  • ST竹下

【9歳の壁ってなに?】

みなさんは「9歳(10歳)の壁」や「小4の壁」という言葉を耳にしたことはありますか?小学4年生くらいのこの時期の子ども達は、脳機能の発達が進み、抽象的な概念の理解だけでなく、自分自身のことを客観的に認識できるようになります。一方で、発達の個人差も明確になりやすく、勉強面や人間関係でのつまづきもみられるようになります。失敗などの経験から自己肯定感が低くなってしまう、劣等感を抱きやすくなるなど壁にぶつかっている状態を「9歳の壁」と表現するようです。


●原因

①自分を客観視する力がつく

9歳頃になると、物事を対象化する、客観的に把握することができるようになると言われています。他者と比較することで「自分だけできない」等、劣等感を抱きやすくなります。


②学習内容が抽象的になる

低学年の学習は、目に見える具体的な事物や身近な出来事が主な対象となりますが、4年生になると、算数の小数や分数、理科の電気など、具体的にイメージしづらい抽象的な内容が増えてきます。成長には個人差があり、つまずいてしまう子どもも少なくありません。


③不安や恐怖を感じやすくなる

抽象的な思考の発達により、自分が経験していないことや未来に起こるかもしれないことを想像するようになります。将来に不安を抱く、死に強い恐怖心を抱くなどの様子がみられます。


●「9歳の壁」を乗り越えるためには

①自信を失っていたら具体的に褒めましょう

自分の短所にばかりに目が向いしまい自信を失ってしまうことがあります。自信がつくようにするためには、保護者方々が「できること」や「できたこと」を具体的に話してあげてください。「すごいね」「さすがだね」「ここが良かったよ」など繰り返し褒めることで、自分の長所に気づけるようになります。


②抽象的な学習内容のつまづきには具体的な復習を心がけましょう

抽象的な内容をできる限りイメージできるように、具体例を挙げたり、映像や図示、イラストなどで視覚的に理解できるようなサポートができると良いかと思います。例えば、「0.5」と「1/2」は、「どちらも半分だね」と身近な言葉で解説するだけで、イメージしやすくなります。また、つまずきには復習と反復学習が重要です。どこまで理解しているか、どこからわからないのかを突き止めてサポートすると良いですよ。


③不安が強い場合は共感をしつつアドバイスをしましょう

不安や心配を抱いているときは、まずはその気持ちに寄り添ってあげてください。共感を示して、話を聞いてもらえる状態に整え、「お母さんはこう思うよ。なぜなら・・・」などと、わかりやすく考えを伝えましょう。自身の体験談を交えると説得力が高まりますよ。


④ストレスが溜まっていたらいつもと違う体験をしてみましょう

モヤモヤした気持ちが晴れないのは、狭い人間関係や環境に身を置いていることに原因があることが多いです。気分転換に買い物に行くなど場所や環境を変えてみることもおすすめです。運動などもリフレッシュに最適ですよ。


この時期のお子さんは「でも」や「だって」といった言葉を多く使いますが、決して思春期だけが要因となっている訳ではありません。つまづきや不安を抱えていることをよく傾聴し一つ一つ解決することで「9歳の壁」を乗り越えましょう!



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