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  • NS橋爪

加温加湿器のお話

今日は人工呼吸器と一緒に使用する加温加湿器についてお話します。

まずは加温加湿器の役割についてです。

わたしたちは普段、空気を鼻や口から吸っています。この空気はもともとの環境の湿度分だけ湿っていますが、湿った鼻腔や口腔を空気が通過することによって、さらに加温加湿された状態になります。一方、人工呼吸器や酸素濃縮装置、酸素ボンベなどから気管切開チューブを用いて体内にガスが送り込まれる患者さんの場合は、空気が鼻腔や口腔を通過しないし、酸素ボンベなどから供給されるガスは非常に乾燥しています。この状態で換気を続けると、肺が損傷したり、分泌部がかたくなったりすることにつながります。このため、体内に入る前に適宜、加温加湿する必要があり、これらを担う器械が加温加湿器になります。


理想的な加湿(吸気ガス)は肺に入る直前の状態が

湿度:37.0℃、相対湿度:100%、絶対湿度:44mg/Lです。

この状態を、自宅で把握することはできません。目でみるとするならば、口元コネクターにわずかに結露が付いていて、回路の中にはジャバジャバと溢れるような水分がない状態 が理想的といえます。

季節の変わり目や暖房、冷房などの影響で、痰の性状は変化します。

痰が乾いていて、塊のようなものが吸引された場合は加湿不足が考えられます。水分の補給、部屋の湿度の調整、こまめな吸引が必要です。

また、回路にプチプチの緩衝材やタオルを巻いたり、風が直接あたらないようにする、などして回路内の温度低下を防ぐ(結露が生じると、水蒸気が水に戻ってしまい肺に水蒸気が達しないから)などの方法をとっているご家庭もあります。

痰の性状に注意しながら、トラブルを防いでいきましょう。


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