top of page
  • ST松尾

食事の失行

配膳されても、食事が始められない認知症患者さんがいます。目の前にある食事を始めるための最初の動作は、箸を持ったり、お茶を飲んだり、お椀を並べ替えたりすることが多いと思います。しかし、患者さんはどのような動作を習慣にしていたのかがわからなくなっているのです。これは、最初の行動の声かけをするだけで、次々と行動が進むことがままあります。また、こちらで1口目を介助し、食事の意識づけをしながら、声かけで進めることも効果的です。ただし、全ての行動に声かけが必要な場合や、声かけしても続かないこともあります。


考え方のPoint

・食事動作が始められないのか、食事をしたくないのかを見極める

・糸口となる行動の声かけか行動提示を行う


良い対応

「はい、箸を持ってどうぞ」

最初の手がかりになる行動の声かけ(糸口の声かけ)をします。また、それでも始まらないときは、ケア者が同じ行動をして見せる「行動提示」を行えば、記憶されていた手続きが進みます。


望ましくない対応

「食べたくないんですね。食べないなら片付けましょうか?」

食事の楽しみを奪ってしまいかねません。

また、無言で箸を手に握らせるなど、声かけをせず行動を指示するようなことは避けます。戸惑ってまごついている状況を理解しましょう。


本人の自尊心や感情を傷つけないように接することができると良いですね。


最新記事

すべて表示
bottom of page