・離乳食を開始してから1カ月程度は1日1回、授乳タイムの1回を離乳食にします。可能であれば午前中かかりつけ医の診療時間内を選ぶと、赤ちゃんの体調に異変があった場合でもすぐに病院に連れていくことができるので安心ですよ。離乳食を食べたあとは、赤ちゃんが欲しがるだけ授乳しましょう。
・食べさせ方のポイントは、スプーンを下唇の上にのせるように置くことです。奥に入れすぎると、赤ちゃんが嫌がったり食べ物を取り込む練習にならなかったりするので、注意が必要です。
最初は10倍粥を小さじ1杯与えます。徐々に量を増やし、問題がなければ人参やカブなどの食材を一つずつ増やしていきましょう。初めての食材は必ず小さじ1杯から始めてください。また、赤ちゃんは細菌などに対する抵抗力が弱いので、衛生管理は徹底するようにしましょう。
子どもが一人で座れるようになるまでは、膝の上に抱いて少し後ろに姿勢を倒すと離乳食をあげやすくなります。
一人で座ることができるようになったら、ベビーチェアに座らせて足裏が床につく安定した姿勢をとらせてあげましょう。
・次に、離乳食を進める上での注意点をお話します
①離乳食は子どもの個性に合わせて進める
子どもはそれぞれ食欲や食べる際の行動、成長や発達のパターンが異なるため、離乳食を進める月齢の目安通りに食べてくれるとは限りません。
離乳食の進め方を本で読んだりネットで調べたりしてみても、なかなか思うようにいかないと悩んでいる方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、焦る必要はありません。離乳食は子どもの個性に合わせて柔軟に進めるようにしましょう。
離乳食の内容や量は子どもの反応に合わせ、家庭の食習慣や地域の食文化なども取り入れながら無理のない方法で進めていくと良いですよ。
②鉄やビタミンD不足に注意する
離乳食開始時期の子どもは鉄やビタミンD不足に注意が必要です。
鉄やビタミンDは母乳に不足しがちとされており、離乳食開始頃の子どもにとっても不足しやすい成分です。
母乳育児の場合には生後6カ月頃になると持って生まれた体内に貯蔵する鉄の量が減少していき、鉄欠乏性貧血になりやすいとされています。また、ビタミンDは完全母乳栄養に離乳開始の遅れや日光浴不足などの要因が加わることで不足しやすくなります。
ビタミンDが不足することで懸念されるのは「くる病」という病気です。鉄欠乏性貧血やくる病を予防するためには、適切な時期に離乳食を開始するほか鉄やビタミンDを多く含む食品を取り入れることが重要です。
子どもの好みや反応をみながら食事に取り入れてみましょう。
③食中毒を予防する
離乳食を進める上では食中毒を予防することも重要です。子どもは大人に比べて抵抗力が弱いため食中毒になりやすく、重症化しやすいといわれています。
食中毒は年間を通して発生する可能性がありますが、特に気温や湿度の高い梅雨から夏にかけては食中毒が発生しやすいため注意が必要です。以下に食中毒を予防する上でのポイントを紹介します。
【食中毒を予防する上でのポイント】
1離乳食を作る前や子どもに食べさせる前はしっかり手洗いする
2土が付いた野菜はしっかり水洗いしてから調理する
3調理器具や食器類は丁寧に洗い清潔に保つ
4魚や肉、卵、豆腐などはしっかり中まで加熱調理する
5調理後はなるべく早く食べさせ、食べ残したものはあげない
6子どもを食中毒から守るため、離乳食を作る際は特に衛生環境に注意しましょう。
④子どもに与えてはいけないものを入れない
離乳時期の子どもには与えてはいけない食品がいくつかあります。以下に乳幼児期に注意すべき食品を紹介します。
【乳幼児期に注意すべき食品】
・はちみつ……ボツリヌス菌による食中毒のリスクがあるため1歳未満では与えないようにしましょう。
・ぎんなん……3歳未満児に大量に与えると嘔吐やけいれんなどを起こすことがあります。小児のうちはあげないようにしましょう。
・溶いた後室温に長時間放置した粉ミルク……サカザキ菌による食中毒を起こすリスクがあります。粉ミルクは2時間以上放置しないようにしましょう。
・生卵……サルモネラ菌による食中毒のリスクがあります。生食は3歳以降にあげましょう。
・加熱不十分な肉……カンピロバクター、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌などによる食中毒のリスクがあります。肉類をあげる際は十分に加熱して与え、冷蔵庫内で生肉と他の食品が接触しないように保存しましょう。
・生の魚介類……寄生虫感染などのリスクがあります。魚介類は十分に加熱してから与えましょう。
・生の二枚貝(カキなど)……ノロウイルスによる食中毒のリスクがあります。十分に加熱してから与えましょう。
・古くなった魚……カジキ、さば、ぶり、まぐろなど温度管理が不十分な魚はアレルギー物質(ヒスタミン)ができ食物アレルギーの原因になることがあります。新鮮な魚を購入し保存する際は冷凍にしましょう。また、ヒスタミンは加熱しても分解されないため古くなった魚は食べないようにしてください。
ほかにも離乳期の子どもは歯が生え揃わず飲み込む力も不十分であるためのどに詰まりやすい食品などにも注意が必要です。
食べ物をのどに詰まらせると誤嚥によって肺炎を起こしたり窒息してしまったりすることもあります。
誤嚥と窒息についての対応はまた次の機会のお話していきます。
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