CLSを聞いたことがありますか?
child life specialistチャイルド・ライフ・スペシャリストの略であり、入院する子どもやご家族が抱える精神的な負担を軽減して、子どもが主体的に医療体験に取り組めるようにと、心理的社会的支援を行う専門職です。子どもへの病気や治療説明、手術・検査に関する説明と心の準備サポート、検査・処置中の精神的サポート、発達支援と日常遊び、治癒的遊びの提供、きょうだい支援、グリーフケアなどを行う専門家です。
子どもは検査や処置などの時に「恐怖心」を抱くことがあります。
恐怖心には何種類かあります。
1つめは知らないという恐怖。(病院に来た目的を知らされていない、初めての処置や検査など)
2つめは知っているこその恐怖で、前回までの体験によるトラウマや誤解を含みます。
3つめは知る必要のない、知りたくないことを知った恐怖(発達年齢に適さない説明内容、鎮静下・麻酔下の処置や検査の内容)です。
子どもたちの抱く恐怖心に合わせて、必要な情報を適切な方法で伝える・共有することが重要であり、言葉選びやタイミングも大切です。また、親御さんの不安が強い場合は、子どもにその不安が伝わってしまうので、付き添っているご家族のケアも必須です。
こういった恐怖心を乗り越えるためには、医療体験への心の準備のサポート(プリパレーション)が必要です。
プリパレーションとは、処置や検査、手術のことを、事前に子どもが受け止めやすい言葉や方法で内容を伝え、子どもの役割や過ごし方を一緒に考えることを意味します。
子どもなりにどうして検査が必要なのかの理解が得られると、「検査をうけて診てもらおう!」「がんばろう!」と家族や医療者と協力しながら、自分に必要な医療を主体的に受けることができるようになります。このような体験は、子どもの不安や苦痛の経験だけではなく、検査や手術を頑張った、乗り越えられたという自尊心や自立心を育むことへとつながり、よりよい医療・入院体験へと変化します。
小児医療にとってとても大切な存在であるCLSについて簡単にお話してみました。
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