「人生会議」をしてみましょう!
- NS五十嵐
- 7月10日
- 読了時間: 3分
更新日:8月28日
「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」をご存じですか?「人生会議」ともよばれます。今回は「ACP」、「人生会議」についてお話しします。
生きていると、誰でも、いつでも、命に関わる大きな病気や怪我をする可能性があります。それは明日かもしれませんし、10年、20年後かもしれません。そのとき、約70%の方が医療やケアなどを自分で決めたり、望みを人に伝えたりすることができなくなると言われています。自分の大切な人がそういった状態になったときに、その人に代わって医療やケアを決めないといけなくなるかもしれません。
「人生会議」とは、自らの人生観や価値観、希望に沿った、医療やケア受けるために、大切にしていることや望んでいること、どこでどのような治療やケアを望むのか、そしてその根源にある思いについて自分自身で前もって考え、家族や近しい人、友人、医療や介護のチームらと話し合い、共有することです。
ここまで読まれてきたなかで、もしかしたら“最期のときについて考える”というイメージをもたれたかたも多いかもしれませんがそうではありません。今のために未来を考える、未来のために今できることを考えるのが「人生会議」です。
「リビングウィル」という言葉は聞いたことありますか?直訳では「生前の意志」という意味であり、これも自分で判断ができない状態になったときの希望を記載した書面のことです。リビングウィルとの一番の違いは、「人生会議」はひとりではなく誰かと話し合い、共有するという点です。
では、どんなタイミングで「人生会議」を行えばいいの?どんなことを話したらいいの?など、4つのステップでお伝えいたします。
①まずは自分自身のことについて考えてみましょう!
ご自身にとって、最も大切なこと、大切にしたいことはなんですか?
どのような医療やケアを望みますか?してほしくない医療はありますか?
例えば、家族が大事、仕事が大事、食べることが好き、旅行が好き、〇〇にまた行きたいな、できる治療は全て挑戦したい、痛いことはしてほしくないなぁ、思いつくものから挙げてみましょう。
②信頼できる人と話しましょう
信頼できる人はいますか?また、ご自身で決められなくなってしまったとき、代わりに誰に決めてもらいたいですか?
家族やパートナー、医療や介護のサポートをしてくれる人(主治医や看護師、ケアマネジャーなど)に自分の考えを伝え、その思いについて話し合いましょう。
考えたり話したりするなかで出てくる疑問(治療のメリットデメリット、病院と在宅でうけられる医療やケアの違いなど)については専門スタッフに聞き、疑問を解消することも大切です。例えば抗がん剤。その人の病状や使う薬剤によって効果や副作用は異なってくるため、インターネットなどから得た情報に固執せずに、主治医等からお話しを聞きましょう。
③可能であれば記録に残しましょう
自分の希望を記録に残しておくことも有効です。
④定期的に見直しましょう!
20歳、30歳、40歳、…、100歳と年齢を重ねたり、何か病気にかかったりしたときには、状況も大切にしたい気持ちも変わると思います。たった一回の人生会議ではその変化に対応することができないため、繰り返し行うことが大切です。定期的に見直し、このステップを繰り返し行い。
最後に、きっと皆さんこれまでにも「素敵な人と出会いたい」「○○な仕事がしたい」「老後はゆっくりしたいなぁ」など、ご自身でこれからのことを思い描いたり、誰かと話したりしたことがありませんでしたか?その延長に、今後は自分らしい生き方について、「人生会議」もしてみてください。




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