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  • NS高橋

花粉症について

〈花粉症とは〉

花粉症はスギやヒノキなどの花粉が原因となりアレルギーを引き起こす病気です。いったい私たちの体の中でどんな反応が起こっているのでしょうか。


①花粉が目や鼻から侵入する。

②リンパ球が花粉を侵入者と認識する。

③リンパ球が、IgE抗体を作る。

④IgE抗体が肥満細胞にくっつく。

⑤再び花粉が体内に侵入してくると、化学物質である(ヒスタミン)などが分泌される。

すると、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目の痒みや充血、流涙などの症状を引き起こします。


《花粉症のメカニズム》

私たちの体は、花粉を「異物(アレルゲン)」とみなし、体内に侵入するとまず、異物を受け入れるか排除するかどうかの判断をします。

排除すると判断した場合、体はこれと反応する物質を作る仕組みが備わっており、この物質のことを「IgE抗体」と言います。

この抗体が出来た後、再び花粉が体内へ侵入してくると、目や鼻の粘膜にある肥満細胞の表面にある抗体と結合します。

その結果、肥満細胞から化学物質(ヒスタミン)などが分泌され、花粉を異物とみなしできる限り体外に排除しようとします。


その反応が

くしゃみ、鼻水、涙で流す、鼻詰まりで体内に侵入を防ぐという反応がおきるわけです。


〈花粉飛散時期〉

 関東地方では、大体2月頃からスギ花粉の飛散が始まり4月下旬に飛散が収まってきます。

続いて、ヒノキ科の花粉の飛散が始まって5月末頃まで続きます。花粉症の症状は、花粉飛散量に比例し悪化する傾向にあります。今や花粉症は、国民病といわれていますが、意外なことに戦後に初めて報告された新しい病気です。日本では、1960年代からわずか40年で、特にスギ花粉症が激増しています。


〈スギ以外の花粉症〉

日本で多いのは、スギ花粉症ですが、日本にはスギ以外にも、多くの樹木や草による花粉症が知られています。


スギ花粉の時期以外で、花粉症の症状が出たら、他の植物の花粉症も疑ってみましょう。


冬から春の時期…

ヒノキ、シラカバ、オオバヤシャブシ

コナラ、クリ、オリーブ、ハンノキ、その他。


夏から秋の時期…

草本花粉(イネ科、キク科)、ブタクサ属などの背の低いいわゆる雑草の花粉。


〈日常生活の支障〉

 花粉症のつらい症状は集中力を低下させるなど日常生活(仕事、勉強、家事)に支障をきたします。メンタル面においても、気分が優れないなどの影響が出ることがあります。早めに耳鼻咽喉科などに受診し、治療を受けましょう。


〈花粉症の予防〉

①花粉情報をチェックする。

②花粉の飛散量が多い日は外出をできるだけ控える。

③外出時に、マスクやメガネを着用し花粉を防御する。

④表面の毛羽立った服薬や上着は避ける。

⑤帰宅時は、着衣や髪の毛に付着した花粉を払って落としてから入室する。手洗い、うがいをし、できたら洗顔もし、鼻をかむ。

⑦花粉飛散量の多い日は窓を閉めておく。

⑧掃除を励行する。


〈花粉症の治療〉

一般に行われる病院での花粉症の治療には、症状を抑える目的の薬物治療と、アレルギー反応そのものを抑える減感作療法があります。


薬物療法では、抗アレルギー薬、ステロイド剤などが使われます。


減感作療法は、従来は花粉エキスを引く濃度から次第に高い濃度へと長期間にわたり皮下注射していくことにより行われてきました。しかし、長期間にわたる注射やその危険性などから復旧が進まず、現在ではもう少し簡易的な治療として「舌下免疫療法」が開発されました。

具体的には、花粉エキスを舌の下に垂らして2分間保持した後に飲み込みます。2週間で徐々に濃度を上げていき、3週間目に維持量にたっし、その後、2〜3年継続して治療を行います。

治療の開始時期が花粉非飛散時期と決まっているため、この舌下免疫療法を受けるには、7〜11月の開始となっています。舌下免疫療法を受けた人の約80パーセントの方に効果が認められており、全身的な合併症の危険が低いこと、初回服用時を除き自宅での治療が可能なことなどのメリットがあり広まっている治療法です。

治療方法は、様々ありますが医師とご相談の上ご自身にあった治療を選択してみて下さい。


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