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  • NS橋爪

★赤ちゃんの直接哺乳と瓶哺乳について★

 直接哺乳の哺乳開始時には、赤ちゃんは非栄養的吸啜(NNS)または呼び出し吸啜と呼ばれる早い吸啜を行い、1分ほどで母親に射乳反射が起こります。そのあと、乳汁が赤ちゃんの口腔内に流れ始め、吸啜は1秒間に1〜2回のゆっくりとしたリズムの栄養的吸啜(NS)に変化します。しかし、哺乳瓶による哺乳でも赤ちゃんはNNSを行うのに加え、哺乳瓶内の水圧により哺乳開始直後から乳汁が口腔内に多量に流れ込んで、むせやspo2低下を引き起こすことがあります。


このような時は、できるだけ水圧がかからにいように、哺乳瓶を水平もしくはやや下向きに傾けたまま吸啜させ、赤ちゃんの吸啜と呼吸状態をみながら、哺乳瓶の傾きを調整さます。また、赤ちゃんの肩から首を手で支えて上体を起こし、膝の上に座らせるような姿勢でも哺乳しやすくなります。


口腔内は、人工乳首による哺乳でも直接授乳でも同様の運動を行っています。しかし、母親の乳頭は人工乳首に対して伸展性があって吸着しやすい特性をもち、直接哺乳時には人工乳首に比べて後方に乳汁は流出するため、赤ちゃんにとっては直接哺乳の方が嚥下しやすいといえます。一方、人工乳首は前方に乳汁が流出するため、誤嚥の危険性が高くなります。また、伸展性が少ないことで口唇や口角に隙間ができやすく、陰圧を保てずに口角から乳汁が垂れたり、空気を飲み込みやすくなります、このため、できるだけ赤ちゃんの口が人工乳首と密着するように口角や下顎を少し押さえ、赤ちゃんの吸啜を助けたり、哺乳途中で何回か排気させることも必要となります。


哺乳瓶による呼吸では、NSが持続し、哺乳中の呼気時間の延長と呼吸数の減少によって換気量が減少してspo2低下やチアノーゼ、徐脈が起こりやすくなります。また、人工乳の方が搾母乳よりも、その傾向が大きいことがわかっています。従って、瓶哺乳の際は呼吸状態を観察し、吸啜が長くて息継ぎができない場合やspo2の低下が起こった際は乳首を口から外して呼吸を促し、休ませながらの授乳を行いましょう。


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