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  • PT世良

がんのリハビリテーション

がんの罹患率は平均寿命の延長とともに増加し続けています。生涯で罹患する確率は、男性で60%、女性で45%とほぼ2人に1人となっています。ですが医療技術の発展により、がんの死亡者は減少してきています。がんは健康に深刻な被害を与える疾患であり、がんの進行状況や積極的ながん治療はさまざまな機能障害を生じる原因となります。

認知障害、嚥下障害、発声障害、運動麻痺、筋力低下、拘縮、痺れや神経因性疼痛、病的骨折、上下肢の浮腫など、さまざまな機能障害が生じ、それにより動作や日常生活が制限され、生活の質の低下に繋がります。

●リハビリテーションの実際

がんは多種多様であり、早期から進行期、末期に至るまで多様な段階があります。その為、リハビリテーションの対象となる障害も、がんそのものの影響を受けているもの、がん治療の過程において生じうるものと多彩です。その為、がん自体による障害と同時に、治療過程において起こりうる障害に応じて、リハビリテーションを考慮していく必要があります。

●リハビリテーションプログラム

リハビリテーションプログラムにおいては、生命予後の予測が重要です。機能障害の増悪、二次的障害や生命予後などに配慮し、適切にゴールを設定する必要があります。

①予防

がん治療に伴う合併症や治療後の機能傷害を軽減する目的で、がんの診断後早期から行います。廃用症候群や関節変形拘縮の予防、褥瘡予防を含めた皮膚ケア、呼吸訓練など。

②機能回復・代償

機能障害、能力低下に対して、体力の向上および機能回復を行い、代償能力を身につけ在宅生活への復帰を援助する。

③機能・生活活動能力の維持

機能障害が進行しつつある人に対し、身体・機能・社会滑動性の維持を図る。自助具の使用や動作方法や生活指導など。

④症状緩和的対処療法

ターミナルケアの一部として、呼吸敷不全、疼痛、身辺清潔、皮膚ケア、姿勢異常への対応を行い、身辺動作を援助し苦痛の緩和を図る。


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