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カタカナがなかなか覚えられないのはなぜ?

読み書きに課題を抱える小学生のお子さんのお話の中で「カタカナがなかなか覚えられない、定着しない」「思い出すことに時間を要している」など、カタカナ学習の困難をお話される保護者の方は多くいらっしゃいます。ひらがなを習得したお子さんの次の難関がカタカナになっているようです。今回は「カタカナ」について少しお話をしてみたいと思います。


⚫カタカナの方が難しく感じるのはなぜ?

平仮名もカタカナもどちらも1文字1音の結びつきからなる文字です。シンプルな形、同じ音ではあるものの、なぜ「カタカナの方が覚えにくい」と感じる人が多いのでしょうか?

簡潔に答えますと「ひらがなと比べて学習の習得期間が短いこと」や「記憶想起のメカニズムの違い」があること、「文字を学ぶ順序」や「日常で目にする頻度あるいは使用する頻度の差」が影響していると考えられます。

日常的に使用する文面においても、ひらがなや漢字が主に使われており、カタカナは補助的な意味で使用するあるいは外来語やオノマトペに利用されることばかりではないでしょうか。


⚫どうしたらカタカナを覚えられる?

カタカナの多くは「漢字」の元となる基本パーツとしても利用されるので、カタカナ学習の苦手さは漢字習得の苦手さの予測指標となります。逆のパターンとしては漢字は比較的習得できているのに、カタカナは定着に時間がかかってしまう。のどちらかの状態であることが予測されます。そんな中でも効率よく記憶できる方法としては「視覚や聴覚を利用した記憶方法」が有効で、何度も繰り返し学習することが大切です。


・漢字を習得できているお子さんの場合

「セは漢字の七に似ているね」や「ハは漢字の八に似ているね」など聴覚的な情報を与えてあげる必要があります。


・漢字の習得がまだできていないお子さんの場合

例えば「サ・リ」「ツ・シ・ン」「ヲ・ヌ」など似た形をまず弁別してあげる必要があります。また、似ている形ではあるけれど、ストロークの本数や書く方向の違いで判別する文字を正確に想起するにためは、一度頭の中で文字を思い浮かべてから、違いを再認識別する過程が不可欠だと考えます。「カ→左から右に向かって真っ直ぐ線をかいてストップ。止まっているところから下に真っ直ぐ線を書いてはねる。最後に横線の真ん中くらいから一本線を付け足すよ。」など聴覚的な刺激と運動機能を交えた学習が有効です。


漢字の習得の有無に関わらず、視覚的情報や触覚的情報、聴覚的情報を加えてあげると習得ペースが格段に上がるのでおすすめです。

漢字やカタカナが繰り返し書いても覚えにくい背景として、平仮名と比べて手の運動記憶イメージを形成しにくい字形である事が理由となっているとも報告されております。最近では「サワルグリフ」という優秀な教材もあるようなので、学習障害に悩んでいるお子さんの学習の手立てとしてぜひ参考にしていただけたらと思います。



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