酷暑日、日本の夏はなぜここまで暑くなったのか?人体への危険は?
- NS姥貝
- 17 時間前
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日本各地で猛烈な暑さが続いています。そして、この夏からは「酷暑日」という言葉もよく聞くようになりました。酷暑日の定義は単純で、「最高気温が40℃以上になった日」を指します。気象庁は2026年4月17日、最高気温40℃以上の日を「酷暑日」と呼ぶことを正式に決めました。それまで気象庁が使っていた暑さの区分は以下の通りでした。
・夏日=最高気温25℃以上
・真夏日=最高気温30℃以上
・猛暑日=最高気温35℃以上
<気温40℃で人体に起こる現象>
人間の体温は通常37℃前後に保たれています。体内では常に熱がつくられています。その熱を皮膚から外へ逃がしたり、汗を蒸発させたりすることで体温を一定に保っています。ところが気温が体温に近づいてくると、この仕組みが次第に機能しなくなります。さらに気温が皮膚温を上回れば、周囲の空気へ熱を逃がすことが難しくなります。それどころか、条件によっては人体が外部から熱を受け取る側になってしまうのです。そうしたとき、最後の頼みは「汗」です。汗そのものが体を冷やしているのではありませんが、汗が皮膚から蒸発するときに熱を奪うことで体を冷却しています。そのため、湿度が重要になります。
同じ40℃でも、乾燥して風がある40℃と、湿度が高く風のない40℃では、人体への負担はまったく違います。湿度が高いと汗が蒸発しません。大量に汗をかいているのに体温を下げられない、という危険な状態になります。体温調節が追いつかなくなると、めまい、立ちくらみ、大量の発汗、頭痛、吐き気、倦怠感などが現れます。さらに進むと、判断力が低下し、意識障害やけいれんを起こします。特に危険なのが重症の熱中症です。深部体温が40℃を超えるような状態では、中枢神経の異常に加え、肝臓や腎臓など複数の臓器に障害が起きることが珍しくありません。そして、さらに問題なのは、本人が「危ない」と正確に判断できなくなる場合があることです。暑さで脳の機能まで影響を受ければ、「まだ大丈夫だ」と思って作業を続けること自体が危険になるのです。
<気温よりも重要な「暑さ指数」>
もっとも、実は「40℃」より重要な数字があります。人体への危険を考える場合、気温だけを見るのは十分ではありません。そこで使われるのが「暑さ指数(Wet Bulb Globe Temperature : WBGT=湿球黒球温度)」です。この指標は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案されたもので、 単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されます。しかし、その値は気温とは異なります。WBGTは人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目しており、人体の熱収支に与える影響の大きい①湿度、②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、③気温、の3つを勘案して作成されています。日本では環境省が熱中症予防の指標として広く利用しており、現在の「熱中症警戒アラート」も、単純な最高気温ではなくWBGTを基準にしています。ここに「酷暑日」の弱点があるとも言えます。例えば、最高気温40℃でも乾燥して風があり、日陰にいる場合と、気温35℃でも湿度が極めて高く、炎天下で運動している場合では、後者の方が人体への熱ストレスが大きくなる可能性があるのです。つまり、「酷暑日=気象の極端さ」を示す言葉、「WBGT=人間への危険度」を測る指標と考えると分かりやすいでしょう。
この夏は健康被害も深刻です。総務省消防庁によると、2026年7月13~19日のわずか1週間に、全国で1万857人が熱中症によって救急搬送されました。暑さは「不快な天気」ではなく、すでに大規模な「健康災害」になっているのです。命にかかわる極めて危険な暑さのため、外出を控えてエアコンの利いた屋内で過ごし、喉が渇く前にこまめな水分・塩分補給を行うなど、徹底した熱中症対策が必要です。




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