●発達障害とは?
発達障害は生まれつき脳機能の発達に偏りがあり対人コミュニケーション能力の乏しさや問題解決能力・臨機応変さ、環境変化の適応能力の乏しさ等を認めるものの総称をいいます。
環境のストレスにより発症する適応障害とは異なり、発達障害は生まれつきまたは幼児期から学童期に発症します。
●発達障害の種類
→発達障害には自閉症・アスペルガー症候群、注意欠如・多動障害(ADHD)、学習障害等がありますが、最近では自閉症とアスペルガー症候群を合わせて自閉スペクトラム症に統一されて分類されている。(アメリカ精神医学DSM-V)
①自閉症
一つの物事に執着し没頭する。同じ行動を何度も繰り返す。常同思考(色々なことに対して同じ考え方をするということ)
コミュニケーションが困難で環境の変化が苦手です。臨機応変に行動できず予期せぬ出来事が起こった時にパニックになることがあります。
②アスペルガー症候群
基本的には自閉症と動揺に常同思考がありますが知能が正常もしくは高いことが特徴です。相手の気持ちを汲み取ることが苦手であり、場の空気を読み取ることや、他人に気を遣うこと、人の顔色を読むことが苦手である。冗談・慣用句・友情や愛情表現を理解することが難しいなどの特徴があります。
③注意欠如・多動性障害
不注意・衝動性、多動性が特徴で落ち着きが無くじっとしていることができません。興味を持ったものには集中できるが、それ以外のものには集中力が続かず、頭に浮かんだことを衝動的に行動にうつす事があります。金銭管理や片付けが苦手で感情のコントロールができないためすぐに感情的になるという特徴があります
④学習障害
読む・書く・計算等の基本的な学習能力のうち、特定の能力に困難さを伴う特徴があります。文字を読んで発音がうまくできない読字の障害、文字が正しく書け書字表出の障害、計算が上手くできない算数の障害等があります。
●発達障害の方との接し方のポイント!
①本人の気持ちを否定せず、メリットや目的・意味を伝える
まずはご本人の気持ちに寄り添い、肯定してあげることが大切。そのあとでなぜその行動をするべきかを説明しましょう
(※できるだけポジティブな面を伝えましょう。脅しのようなマイナス面を伝えてしまうとかえってその行為を嫌がる可能性が高くなります)
(例)~歯磨きを行なおうとしないお子さんの場合~
「歯磨き嫌だよね。でも歯磨きしたらお口の中がスッキリするし、ばい菌がいなくなってキレイキレイになるよ。一緒に磨いてみようね」
※未就学児のお子様の場合はメリットを伝えても理解することが難しい場合もあるため、歯を磨けたら好きなシールを貼れる。ポイントを貰える。シールやポイントが溜まったらご褒美など、本人にとってメリットになることを家族と相談しながら工夫していくことが大切。
②見通しを明確に。変更は事前に連絡
予定を見通すことが苦手である事が多いため、目でみて分かるように一日の予定表や時間割を作り、それを随時確認できるようにしておきましょう。
予定表と異なる予定が入った時はパニックにならないよう、事前に本人がイメージが持てるように具体的に説明をしてあげましょう
③否定や叱責・指摘より、肯定語で伝える。
「~しない」「~してはダメ」といった否定語での表現は本来その時にするべき適切な行動が分からず、止められた。否定された。という経験で終わってしまい、その時に取るべき適切な行動を伝えるようにしましょう。
また、良い行動を取りやすくするために実際適切な行動をしてもらって、褒めるという事で、成功させてから褒めて終わらせることで学習効果が高くなります。
●本人の性格や特性によって、伝えるコツは十人十色
言葉だけではなく、絵に表す・例や見本を示すなど本人にとって理解しやすい方法で伝え、理解できているかどうかを確認しながら行なうことが大切です。
「できた!楽しい!」など成功体験を積み重ね、自己肯定感を育てていきましょう。
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