暑さが増し、もうすぐ夏がきますね。夏が近づいてくると、高温多湿な環境により、さまざまな体調不良や病気が発生しやすくなります。
夏は汗をたくさんかくため、ビールがおいしく感じる季節ですね。ですが、ビールやお酒では水分補給はできません。利尿作用があるので、脱水になりやすくなります。脱水になると、尿が濃縮されて尿中の成分が結晶化されるため、結石ができやすくなります。これを尿路結石といいます。尿路結石になると、腰や背中の痛み、排尿時痛が起きやすくなります。男性の約7人に1人、女性の約15人に1人が発症するといわれています。
■症状
上部尿路結石(腎・尿管結石)では、脇腹の痛み、特に疝痛といわれる激痛や血尿によって発見される事があります。下部尿路結石では排尿困難などの症状で発見されることもあります。
上部尿路結石では、疼痛がなくなっても結石が排石されたとは限りません。無症状で結石が尿管内に長期間とどまると、結石の存在する側の腎機能が悪化することがあります。このようなことを起こさないために、確実に結石をなくす必要があります。
■治療
小さな結石では飲水を励行するなど自然排石を待ちますが、大きな結石や痛みが繰り返し起きたり、腎機能が悪化している場合は、体外衝撃波砕石術(ESWL)といって、衝撃波エネルギーを体内の結石に照射し、結石を砕石する治療や、経尿道的尿管砕石術(TUL)といって、尿道から尿管の中に内視鏡を挿入し、結石を砕石したり取り出したりする手術を行う場合もあります。
■予防
尿路結石は食生活が大きく関与しています。
まずは、こまめな飲水を心がけましょう。水分摂取は水や番茶がよいといわれています。過度のコーヒーや紅茶、コーラ、牛乳、ジュースの摂取は避けましょう。 またアルコール摂取も過度にならないようにし、連日の摂取は控えましょう。 動物性たんぱく質、カルシウム、塩分、脂肪、糖分の過剰摂取は控え、バランスのとれた食生活を心がけましょう。
また、適度な運動を実施し、汗をかいた後は必ず水分摂取しましょう。ストレスを解消し十分な睡眠と精神的な余裕が必要です。
夏に起きやすい病気や体調不良を予防し、元気に夏を過ごしましょう。
