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薬は潰しても大丈夫?

子どもや高齢者、病気などでうまく薬を飲み込めないとき、薬を潰してから飲んでいる方もいらっしゃると思います。

しかし、すべての薬が潰しても大丈夫というわけではありません。むしろ、潰してしまうことで体に悪い影響が出てしまう薬もあるため、注意が必要です。


■ 潰しても大丈夫な薬

薬の中には、あらかじめ「粉にしても問題ない」ように作られているものがあります。

たとえば、

・ビタミン剤

・整腸剤

・一部の解熱剤(熱を下げる薬)

などは、潰しても効き目が変わらないことが多いです。

こうした薬は、飲みやすくするためにおかゆやジュースに混ぜたり、ゼリーやアイスと一緒に飲んだり食べたりすることも可能です。


■ 潰してはいけない薬

一方で、「絶対に潰してはいけない薬」もあります。

その理由は、大きく分けて以下の3つです。


① ゆっくり効くように作られている薬(徐放錠)

これらの薬は、1日に何度も飲まなくて済むように、薬の成分がゆっくりと体に吸収される仕組みになっています。

でも、潰してしまうと、一気に効いてしまい副作用が強く出ることがあります。


② 胃にやさしくするためのコーティングがされている薬(腸溶錠)

胃が荒れないように、薬の表面が特別なコーティングで守られている薬もあります。

潰してしまうと、そのコーティングが壊れ、胃が荒れやすくなったり、効果が弱まったりしてしまいます。


③ 苦味やにおいがとても強い薬

一部の薬は、味がとても苦かったり、においがきつかったりするために錠剤になっています。

潰すことで、そういった嫌な苦味やにおいが広がり、飲むのを嫌がる原因になってしまうことがあります。


■ 潰してもいい薬かどうか迷った時は

自己判断で薬を潰すのはとても危険です!もしも「薬が飲みにくい・飲みにくそう」と感じたら、まずは主治医、看護師や薬剤師に相談してください。


その上で、

・飲みやすい形の薬に変更してもらう(潰しても良い薬の場合ではあらかじめ潰してからのお渡しが可能なことが多いです(薬剤師が医師の指示を受けて行います))

・シロップや粉薬、OD錠※に変更してもらう

(※OD錠(口腔内崩壊錠):水なしでも口の中で素早く溶けるように工夫された錠剤のこと)

など、安全で無理のない方法を一緒に考えていきましょう。薬の形態の変更が出来ないなどの場合、ゼリーやとろみ、オブラートを使った方法で飲みにくさが軽減できる可能性があるため、ご相談ください。


経鼻(経口)胃管を挿入されている方や胃瘻をつくられている方でチューブから注入する際、錠剤は粉砕する必要があるため、同じように注意すべき薬があります。また、薬によっては薬剤の性質上、チューブが詰まりやすいものもあります。その他、カプセル剤でも、カプセルを開けて中身を投与してもいい薬とそうでない薬があります。


■まとめ

今回は錠剤を潰しても良いかのお話を中心にさせていただきました。現在、さまざまな形状のお薬がありますが、それぞれに意味があります。同じ効果効能のお薬でも錠剤、粉薬、シロップ、貼り薬、注射薬など、様々な形状があるため、飲みにくさ・飲ませにくさを感じたときには、かかりつけの医師、看護師、薬剤師に気軽に相談してください。

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