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  • PT岩島

足の付け根が痛む・・・変形性股関節症かも

変形性膝関節症と同様に歩けない原因や痛みの部位として多いのが股関節です。

レントゲン診断による日本の変形性股関節症の有病率は1.0~4.3%で約120万~510万人になります。男性は0~2.0%、女性は2.0~7.5%と女性に多くみられます。発症年齢は平均40~50歳で、原因は臼蓋(骨盤の受け皿)形成不全が80%以上といわれています。


●股関節の構造について

股関節は骨盤の受け皿である臼蓋と太ももの骨である大腿骨(大腿骨頭)により構成される関節です。足の付け根を曲げ伸ばしする動きだけでなく、足を開く・閉じる動きやねじる動きもできるような構造となっています。


●なぜ股関節が変形してしまうのか

発症の要因として80%以上を占めているのは臼蓋形成不全とお話しました。臼蓋形成不全は股関節の臼蓋を構成する骨の発育が不十分で、大腿骨頭を十分に覆うことが出来ない状態を言います。骨盤の受け皿が浅いため股関節のある一部分にストレスがかかりやすいです。そして、年齢を重ねるにつれ股関節周囲の筋力が低下する、関節の修復能力が低下することによりさらに関節のストレスがかかってしまい次第に変形が起きます。


●変形性股関節症の症状

変形性股関節症の主な症状は関節の痛みと関節可動域制限です。股関節は鼠径部(脚の付け根)にあるので、最初は立ち上がりや歩き始めに脚の付け根の痛みを感じます。関節症が進行すると、その痛みが強くなり、場合によっては夜間痛にも悩まされることになります。

さらに股関節の動き悪くなり、日常生活では足の爪切りができない、靴下が履きにくい、正座できないといった例が挙げられます。また長時間立ちっぱなしの姿勢や長距離歩きっぱなしが難しくなるため台所仕事や長時間作業に支障をきたします。


●股関節を守るために

もし変形性股関節症と診断されたらまず負担を減らして大事に使うということが重要になります。どのような使い方で痛み出現するのか、痛みが強くなるのか自身の関節の調子を観察することが大切です。もし体重による股関節部へのストレスがあるようでしたら減量に挑戦することも良いと思います。また、歩く時の負担を少しでも減らすには杖の使用もお薦めします。

具体的な運動として理想的なものとして挙げられるのは水中歩行です。水中だと体重による股関節へのストレスが軽減できることに加え、全身運動が行えるため良いとされています。運動療法はその他様々な方法もありますが、どうしても痛みが出現する可能性があるため慎重に始めて徐々に負荷を高めていくことがポイントです。痛くて家の中も歩けない等の日常生活にひどく支障をきたす場合は手術の選択肢もあるためまずは医師に相談するのが良いと思われます。


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